矢瀬遺跡は、群馬県利根郡月夜野町の上越新幹線上毛高原駅(じょうもうこうげんえき)の北東約700mに位置し、利根川河岸段丘(とねがわかがんだんきゅ うう)の最下段面を「深沢(ふかさわ)」と「諏訪の沢(すわのさわ)」で開析(かいせき)された小さな高台の端部(標高396m)という緩斜面に立地して いる。遺跡がある河岸段丘の最下段の砂礫層面(されきそうめん)と上段のローム層面とは高さ35メートルの段丘崖で区画され、河床との比高は15メートル である。矢瀬遺跡が発掘された月夜野町は、群馬県北部の沼田市と水上町の間にあり古くから関東と北陸を結ぶ重要な交通ルートの要衝として発展してきた。北 に谷川岳、南に赤城山を望み、西に大峰山、東の三峰山に囲まれ、中央に利根川が南北に流れ、その利根川を頂点とし、「V」字型の谷状盆地で両岸には河岸段 丘がよく発達している。
上毛高原駅周辺には
縄文早期〜前期:前中原遺跡(まえなかはらいせき)
縄文中期:梨の木平(なしのきだいら)遺跡敷石住居址(県指定史跡)
縄文後期:深沢遺跡配石遺構(ふかさわいせきはいせきいこう)
縄文後期〜晩期:矢瀬遺跡(国指定史跡)
と縄文時代の遺跡が多く発掘されている。 遺跡は、1992年の土地改良事業と都市計画道路建設事業に先立って行なわれた発掘調査によって遺構分布が確認され、その広さ約5,000平方メートルの 範囲を確認し、1997年に国指定史跡に指定され全面保存に至った。
みなかみ町教育委員会HP
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